どうもしらたまです。
今日は司法書士の決済業務について詳しく解説します。
決済とは?
司法書士業界で言う「決済業務」とは、不動産取引において買主が売主に代金を支払い、売主が買主にカギを引き渡す際、取引が有効に成立したか法的に判断する業務です。
この決済が終わることで不動産の所有権が売主から買主に移転し、売主は売買代金を、買主は目的の物件を手に入れることができるわけです。
実際には不動産の登記を入れなくても、買主に所有権は移転しているのですが、対抗要件となる登記を備えていないと「この物件は自分の所有物だ!」と主張することができなくなってしまいます。
売主AさんがBさんに甲土地を売りました。
Aさんは次にCさんに甲土地を売りました。
いわゆる二重譲渡ですね。
この場合、BさんとCさんの甲土地の所有権を主張することができるでしょうか?
答え:どちらもできません。先に登記を備えた方が所有権を主張することができます。
先に売った方で判断するのではなく、先に登記を入れた方になります。
登記を備えると言うことがどれだけ大事かわかっていただけたかと思います。
せっかくローン組んでまで購入した夢のマイホーム・・・
登記を備えないと自分のものと言えなくなるなんて、怖すぎる((((;゚Д゚))))ガクブル
そうならないために登記の専門家である司法書士がいるんですね~
決済の流れ
さて、試験に合格後、無事に事務所に就いて司法書士登録をして初めて決済される方に向けて、決済業務の流れを解説していきます。
※決済の準備段階として、不動産仲介とのやり取りや、金消立会、家屋証明書や抵当権設定契約書等の各種書類を関係各所から預かる業務は省いています。
事務所ごとにルールがあると思うので。
集合
決済時間の開始15分前には決済場所に到着しておきましょう。
ちなみに私は事務所の先輩に「必ず一番に着いてセッティングをしとくこと!先客がいたら負け」と口酸っぱく教えられました^^汗
決済場所は色々あるよ
- 銀行
- 仲介の事務所
- 現地
- 依頼者の家
- カフェやファミレス
- etc
決済場所に着いたら、スムーズに決済が進むように、ペンや朱肉、印鑑マット、状況によっては振込伝票などを準備しておきましょう。
お客様や仲介さんたちがいらしたら、それぞれ名刺交換をしていきましょう。
書類確認・本人確認
当事者が全員揃ったらいよいよ決済の始まりです。
※場合によっては先に到着した売主や買主の書類確認や本人確認を済ませおきます。
当事者とは?
- 売主
- 買主
- 売主仲介
- 買主仲介
- 司法書士
- 借入銀行担当者
当事者もケースバイケースです。
売主買主の仲介が同じ場合もあれば、所有権移転の司法書士と抵当権設定の司法書士が別の場合もあります。
また、最近多いネット銀行でローンを組んだ場合、銀行担当者は同席しません。
まず売主の書類と意志確認です。(別に買主からでも構いません)
- 権利証or登記識別情報
- 印鑑証明書
(申請日から起算して作成後3か月以内かcheck)
(登記簿上の住所氏名と相違ないかcheck) - 実印
- 本人確認(運転免許証など)
これらが全てOKだったら、売却する物件と売却意志をしっかり確認する。
色々な方法があると思いますが、私の場合公図を見せつつ所在・地目・地積を一緒に確認します。
その後、登記原因証明情報と委任状にそれぞれ署名・捺印をもらいます。
次に買主の書類と意志確認です。
- 住民票
(登記原因証明情報や委任状と同一の住所のものかcheck)
(個人番号、本籍地が省略されているものかcheck) - 本人確認(運転免許証など)
これらが全てOKだったら、購入する物件と購入意志をしっかり確認する。
売主の時と同様に公図を見せつつ所在・地目・地積を一緒に確認します。
その後、登記原因証明情報と委任状にそれぞれ署名・捺印をもらいます。
(登記原因証明情報は売主だけの署名捺印があれば登記は通ります。)
実行
売主・買主それぞれのヒト・モノ・イシの確認が済んで、全ての必要書類が揃ったら、融資の実行をかけてもらいます。
銀行での場合は担当者に「実行お願いします」の旨を声かければOKです。
他にも電話で、実行をかけるパターンもあります。
売買費用の残代金や、仲介手数料、登記費用などを振込する場合、振込伝票を書いて提出します。
待ち&解散
お金が各所に入金されるのをひたすら待ちます。ひたすら・・・
銀行振込の場合1〜2時間待つことも・・・。
最近増えているネット銀行でローンを組んで、振込先も事前登録していた場合、15分で終わることもあります。
待ち時間に会話をつなげるのも司法書士のしごと・・・?かもしれません。
それぞれ入金が確認できたら、めでたく解散となります。
決済後
登記の申請
決済後はすぐに事務所に戻り、登記の申請をします。
無事に申請が済んだら、融資先にもよりますが、登記の受領証を銀行にFAXもしくはメールします。
(このご時世に未だにFAXを愛用している業種のひとつですね)
例外
売却物件に抵当権等がついている場合、それらを抹消した後に移転登記をすることになります。
その際は、決済時に売主から抹消書類を預かるための委任状(代理受領の委任状)をもらいます。
※委任状が必要かどうかは銀行によるので、銀行との事前打ち合わせは必須です。
決済後に銀行に入金の確認をして、抵当権等の抹消のための書類を預かりに行きます。
預かる抹消書類は以下の通り。
- 解除証書
- 登記識別情報もしくは権利証
- 委任状
まとめ
以上、決済の流れをざっくりまとめてみました。
管轄登記所にもよりますが、登記申請後、1〜3週間ほどで登記が完了します。
完了したら、依頼者に登記の完了書類(登記識別情報や、各種還付書類、登記完了証)を納品して、全て終了となります。
以上、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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